ガルバリウム鋼板は、耐久性や耐震性に優れた外壁材として注目を集めています。しかし、特性を十分に理解せずに採用すると、後悔につながる可能性があります。
事実、外壁をガルバリウム鋼板にしたものの本当にこれで良かったのかと悩んでいる方も珍しくありません。
この記事では、ガルバリウム鋼板の外壁で後悔する理由と後悔しないためのポイントを詳しく解説します。これから外壁材を選ぶ方、すでにガルバリウム鋼板の外壁を使用している方は、ぜひ最後までお読みください。
ガルバリウム鋼板は、鉄板の表面にアルミニウム、亜鉛、シリコンの合金でメッキ加工を施した金属製の建材です。1972年にアメリカで開発され、現在では多くの建材メーカーが採用する人気の外壁材となっています。
主な特徴は従来のトタンと比べて錆びにくく、耐久性に優れている点です。加えて、軽量であるため、建物への負担が少なく、耐震性の向上にも貢献します。
外観はシンプルでモダンな印象を与え、現代的な住宅デザインとの相性が抜群です。
ガルバリウム鋼板は屋根材としても広く使用されているため、外壁と屋根を統一感のあるデザインにすることもできます。
ガルバリウム鋼板の外壁にして後悔してしまうのは、以下のような理由が挙げられます。
ここでは、ガルバリウム鋼板の外壁にして後悔する主な理由について詳しく解説します。
ガルバリウム鋼板の外壁は、薄さゆえにキズが付きやすいというデメリットを抱えています。一般的なガルバリウム鋼板の厚さは約0.4mmで、表面を保護するメッキ層はわずか0.05mmしかありません。
この薄さが、わずかな衝撃でもキズや凹みを生じさせる原因です。
例えば、子供が自転車を誤って外壁にぶつけただけで目立つキズができたり、ボール遊びの際に外壁に当たって凹んでしまったりする場合があります。
また、家具の搬入時に不注意で外壁に接触すると、簡単にキズがついてしまう可能性もあります。
このようなキズや凹みは外観を損なうだけではなく、メッキ層が破損することで錆びの原因にもなりかねません。耐久性を重視して選んだはずのガルバリウム鋼板が、予想以上に傷つきやすいことに気づき、後悔する人も少なくありません。
ガルバリウム鋼板の外壁を採用する際に注意すべき点は、断熱性の低さです。金属は熱を伝えやすい性質を持っているため、ガルバリウム鋼板単体では断熱効果がほとんどありません。
そのため、夏場は外部の熱が室内に伝わりやすく、冬場は室内の熱が外に逃げやすくなります。結果、エアコンの効きが悪くなり、電気代の増加にもつながる可能性があるでしょう。
特に直射日光を受ける南向きの壁面では、夏場に外壁自体が熱くなり、室内温度の上昇を引き起こす場合があります。また、寒冷地では結露の問題も発生しやすくなります。
このような断熱性の低さは、住環境の快適性を大きく損なう要因となり、ガルバリウム鋼板を選択したことを後悔する可能性が高くなるでしょう。
ガルバリウム鋼板の外壁を採用した際に直面する課題が、遮音性の低さです。金属製の薄い板で構成されているガルバリウム鋼板は、音を遮断する能力が低く、外部の音が室内に伝わりやすい傾向があります。
特に、雨音や風の音、車の走行音などが室内に響きやすくなります。
そのため、静かな環境を求める人にとっては不満となる可能性が高いです。例えば、寝室が道路側にある場合、夜間の車の走行音で睡眠が妨げられる場合があります。
また、大雨の際には雨音が室内に響き渡り、会話や作業の妨げになる場合もあるでしょう。逆に、室内の音が外部に漏れやすいという問題もあり、プライバシーの観点からも課題といえます。
ガルバリウム鋼板の課題である遮音性の低さは、日常生活の快適性を大きく損なう要因です。
ガルバリウム鋼板は一般的に錆びにくいですが、特定の条件下では錆びてしまうケースがあります。
錆びる主な原因は、表面のメッキ層が損傷することです。強い衝撃でキズがついたり、切断面が適切に処理されていなかったりすると、そこから錆びが発生し始めます。
また、海岸近くの塩害地域や工場地帯など、腐食性の高い環境下では錆びが進行しやすいでしょう。さらに、雨樋の詰まりなどで水がガルバリウム鋼板の表面に長時間滞留すると、錆びの原因になる場合があります。
錆びが発生すると急速に劣化が進行し、外観を損ねます。構造的な問題にも発展する可能性があるため、注意が必要です。
錆びないと思って選択したガルバリウム鋼板が実際には錆びてしまい、メンテナンスや交換が必要になると、大きな後悔を感じてしまうかもしれません。
ガルバリウム鋼板の外壁は、シンプルでモダンな外観を実現できる反面、独創的なデザインには不向きです。この点を十分に理解せずに外壁として採用すると、後悔につながる可能性があります。
ガルバリウム鋼板は、基本的に平板や波板などの単純な形状です。そのため、複雑な曲線や立体的な装飾の施し、鮮やかな色、特殊な模様の表現が困難です。
個性的で目を引くような外観デザインを求める場合には、要望を満たせない可能性があります。
例えば、和風の伝統的な外観やアールデコ調の装飾的なデザインなどは実現が難しいでしょう。また、近隣の建物と差別化を図りたい場合や、独自のブランドイメージを外観に反映させたい場合にも制限が生じます。
結果、もっと個性的な外観にしたかった、周囲の建物と似たような印象になってしまったといった後悔につながるケースは珍しくありません。
ガルバリウム鋼板を外壁に採用すると、予想以上にコストが高くなりがちです。なぜなら他の外壁材と比較すると、単価が高めに設定されているためです。
例えば、窯業系サイディングと比べると、同じ面積あたりの材料費が1.5倍から2倍程度高くなる場合があります。
また、ガルバリウム鋼板の特性を活かすためには、適切な断熱材や遮音材を併用しなければなりません。これらの追加材料もコストアップの要因です。
さらに、施工には特殊な技術や工具が必要な場合があるため、工事費も高くなりやすい傾向にあります。メンテナンス面でも、キズや凹みの修復、塗装の塗り直しなどが必要になる可能性が高く、長期的なコストも考慮しなければならないでしょう。
結果、当初の予算を大幅に超過してしまったり、他の部分の質を落とさざるを得なくなったりする可能性があります。もっと費用対効果の高い外壁材を選べば良かったと、後悔につながるケースは少なくありません。
ガルバリウム鋼板の外壁で後悔しないためには、以下のポイントを押さえたうえでの選択が必要です。
ここでは、ガルバリウム鋼板の外壁で後悔しないためのポイントについて詳しく解説します。
ガルバリウム鋼板の外壁で後悔しないためには、メリットとデメリットの理解が不可欠です。
メリット | デメリット |
---|---|
|
|
特性を事前に把握し、自身のニーズや生活環境に適しているかを慎重に検討しましょう。
例えば、海岸近くに住んでいる場合は塩害の影響を考慮しなければなりません。また、静かな環境を重視する場合は、遮音対策を十分に行う必要があるでしょう。
さらに、メンテナンス頻度や長期的なコストについても考慮が必要です。
メリットとデメリットを総合的に判断し、自分にとって最適な選択かどうかを見極めてください。専門家や施工業者に相談し、具体的な使用例や対策方法についてアドバイスを求めると、後悔する確率を下げられます。
ガルバリウム鋼板の外壁で後悔しないためには、定期的なメンテナンスが不可欠です。特にキズや凹みの早期発見と対処には注意しなければなりません。
表面に小さなキズや凹みを見つけた場合は、速やかに補修すれば錆びの進行を防げます。
また、定期的な洗浄も重要です。雨の当たらない部分は汚れが蓄積しやすいため、年に1〜2回程度の洗浄が望ましいです。適切な洗浄を実施できれば、美観を保てます。
さらに、10〜15年を目安に塗装の塗り直しを検討しましょう。塗装の劣化が進むと防水性能が低下し、錆びの原因となる可能性があるためです。
また、メンテナンス時にはシーリング材の状態も確認し、必要に応じて交換してください。これらのメンテナンスを適切に行えば、ガルバリウム鋼板の耐久性を最大限に引き出し、長期間美しい外観を保てます。
ガルバリウム鋼板の外壁で後悔しないためにも、実際の施工事例をあらかじめ確認しておきましょう。
しかし、カタログやWebサイトの写真だけでは、実際の見た目や質感を正確に把握できません。可能であれば、ガルバリウム鋼板を使用した住宅の展示場や、すでに施工された物件を見学すべきです。これにより、光の当たり方による見え方の変化や、周囲の環境との調和具合などを実際に確認できます。
また、施工後数年経過した物件を見れば、経年変化の様子も把握できます。施工業者に過去の施工事例や顧客の声を聞くのも有効です。
自分の希望する外観や機能性に近い事例を見つけられれば、イメージと現実のギャップを最小限に抑えられるでしょう。
また、施工事例の確認はデザインの選択だけではなく、断熱材や遮音材の使用方法、メンテナンス方法などの参考にもなります。
外壁をガルバリウム鋼板にするメリットは、以下の通りです。
ここでは、外壁をガルバリウム鋼板にするメリットについて詳しく解説します。
ガルバリウム鋼板のメリットは、他の金属素材と比較して錆びにくい点です。理由は鉄板の表面にアルミニウムと亜鉛の合金でコーティングが施されているためです。
特殊なコーティングにより、通常の亜鉛メッキ鋼板(いわゆるトタン)と比べて3〜6倍の耐久性があるとされています。特に、アルミニウムの持つ耐食性と亜鉛の持つ犠牲防食作用が組み合わさると、優れた防錆効果を発揮するでしょう。
ガルバリウム鋼板の外壁は、高い耐震性を誇ります。
ガルバリウム鋼板は一般的な窯業系サイディングや瓦と比較すると、非常に軽量です。この軽さが地震時の建物への負担を大幅に軽減します。
地震の際、建物の重心が低いほど揺れが小さくなるため、軽量なガルバリウム鋼板は建物全体の耐震性向上に貢献します。
ガルバリウム鋼板の外壁は、適切なメンテナンスを行うことで長期にわたって使用できるのがメリットです。耐用年数は20〜30年以上とされており、他の外壁材と比較しても長寿命です。
例えば、窯業系サイディングの耐用年数が15〜20年程度と考えると、その差は明らかといえます。
この長い耐用年数は、ガルバリウム鋼板の持つ高い耐久性と耐候性によるものです。
ガルバリウム鋼板の外壁は、シンプルでモダンなデザインを演出できるメリットがあります。洗練された金属の質感は、現代的な建築デザインと非常に相性が良く、スタイリッシュな外観の実現に貢献しています。
直線的でミニマルなデザインを好む方にとっては、理想的な外壁材と言えるでしょう。
ガルバリウム鋼板は屋根材としても使用できるため、外壁と屋根を同じ素材で統一すれば、より一体感のあるデザインを実現できます。
ガルバリウム鋼板の外壁は、耐久性や耐震性、デザイン性など多くの魅力的な特徴を持ちます。一方で、キズがつきやすく、断熱性が低いなどのデメリットも存在します。
これらの特性を十分に理解し、自身のニーズや生活環境に合わせて慎重な選択ができれば、後悔のない外壁選びができるでしょう。
ガルバリウム鋼板の外壁で悩んでいる方は、ぜひカベナビJAPANをご利用ください。豊富な知識と経験を持つ専門家がメリットとデメリットを総合的に判断し、長期的な視点で最適な外壁を厳選します。
快適で美しい住まいを実現するための第一歩を踏み出したいなら、ぜひお気軽にご相談ください。
営業時間 10:00 〜 18:00(平日)
時間外のお問い合わせは
翌営業日にご対応いたします。