外壁は常に風雨や紫外線にさらされているため、経年劣化や損傷が避けられない部分です。
外壁は住宅の顔であり、さらには住宅を守る役割があるため、定期的に外壁調査を行って早期に問題解決を図っていく必要があります。
しかし、「外壁調査ってどんな方法でするの?」「どのタイミングで外壁調査が必要になるの?」など疑問に感じる方もいるでしょう。
この記事では、外壁調査の必要性や方法、会社選びのポイントを紹介します。
外壁調査では、建物の外壁の状態を詳細に確認し、劣化や損傷の有無を評価します。ここでは、外壁調査の概要やタイミング、対象となる建物について解説します。
外壁調査とは、建物の外壁に亀裂や塗装の剥がれなどの問題がないかどうかを調べるために行う調査です。
新築時には塗装もきれいな状態ですが、紫外線や風雨にさらされることで、時間とともに塗装が剥がれたり、ひびが入ったりします。
さらに劣化が進むと、建物の躯体と外壁材の間に空気層が生じて剥離が進行し、外壁材が落下する危険性が高くなります。
適切な処置を施さない場合、落下した外壁の一部が、歩行者にあたって大きな事故につながる可能性があるでしょう。
そのため、建物の所有者は外壁材がしっかり躯体に密着しているかどうかを、外壁調査を行って調べなければなりません。
ちなみに、一般的な住宅で外壁の点検を実施する際に「外壁調査」と表現されることもありますが、外壁調査は建築基準法によって義務付けられている調査を指します。
外壁調査を行うタイミングは、施工や外壁改修から10年以上経過している場合、もしくは過去3年以内に打診調査を実施していないケースです。
建築基準法第12条で、外壁調査については特定建築物定期調査(1~3年毎)と全面打診等調査(10年毎)が義務付けられています。
これらに当てはまっていない場合でも、手の届く範囲での打診調査や、双眼鏡などを使った目視調査で異常が見つかったら打診調査をしなければなりません。
ただし、3年以内に外壁改修が行われることが確実になっている場合や、歩行者の安全を守るための対策が行われている場合は調査の対象から外れます。
法律によって外壁調査が義務づけられている建物は、国が政令で指定する建築物、もしくは全国の各特定行政庁が指定する建築物です。
国の政令によって定められた特定建築物には、劇場、映画館、ホテル、店舗、寄宿舎、児童福祉施設、病院、学校などがあります。
これらの建物において、外壁調査の対象となる仕上げ材は、タイル張り・石張り(乾式工法を除く)・モルタル張りの3種類です。
また、特定建築物は建物ごとに規模も定められているため、基準を満たさなければ特定建築物にはなりません。
外壁は建物の外観を美しく保つことに加え、建物の保護能力を維持し、災害から守る役割も果たします。
外壁の機能性を維持するためにも、外壁を定期的に調査し、必要に応じて補修を行わなければなりません。
ここでは、外壁調査が必要な理由を詳しく解説します。
特定建築物の場合は、建築基準法によって外壁調査が義務付けられているため、法律に基づいて外壁調査を行わなければなりません。
特定建築物を対象とした外壁調査は、歩行者の安全を守るためのものであり、調査を怠ると罰金が課せられる可能性があります。
一方、特定建築物に該当しない建物については、外壁調査を行う義務はなく、罰則の対象にもなりません。
しかし、外壁調査を実施することで劣化具合を知ることができ、早めに対策を行うことで建物劣化に伴う事故の予防になります。
外壁調査は、建物の美観を維持するためにも欠かせません。
外壁にひびが入ったり、剥がれがあったりなど、外壁の劣化が目に見えて分かる建物は見栄えも悪くなります。
築年数が短くても何らかの原因で外壁が剥がれてしまうと、古く見えてしまい、不動産価値も下がってしまうでしょう。
定期的な外壁調査によって、トラブルが発生している箇所にいち早く気づくことができます。
早めに補修を行うことで劣化を食い止めると、建物の見栄えを良くするだけでなく、不動産価値の維持・向上にもつながります。
外壁調査は、災害発生時の安全性を確保して新たな被害を防ぐためにも必要です。
日本は世界的にみても災害大国であり、特に予知ができない地震は、いつどこで発生するかわかりません。
外壁調査を怠ってしまうと、大きな地震で建物が揺れた際、落下物が人にぶつかって新たな犠牲につながるおそれもあります。
定期的に外壁調査をしておけば、災害時の被害を最小限に抑え、安全性の確保にもつながるでしょう。
外壁の落下による事故のリスクを下げるためにも、定期的に外壁調査を行う必要があります。
大きなビルやマンションになると、外壁が剥がれそうになっていても一般の方にはほとんどわかりません。
劣化している外壁をそのまま放置すると、やがて外壁が剥がれてしまい、その下に人がいれば大事故になります。
取り返しのつかない事故になる前に、外壁を調査して安全な状態を保ち続けることが重要です。
外壁調査の方法には、打診調査・赤外線調査・ドローン調査の3種類があります。ここでは、それぞれの外壁調査の方法を解説します。
打診調査とは、作業員が打診棒という専用の道具を用いて、直接外壁を叩いて劣化や損傷の有無を確認する調査です。
打診棒で叩いて生じる音を聞き分けることにより、外壁のタイルやモルタルに浮きがないかどうかを判断します。
音に違いが生じるのは、外壁の浮きが生じているコンクリート内部に空気の層ができるためです。
一般的には仮設足場・高所作業車を使用する方法や、屋上からロープを使って降下しながら調査を行う方法があります。
外壁のほとんどを叩いて直接調べるため、調査の精度が高いことがメリットです。
赤外線調査とは、赤外線カメラを使って外壁の温度差を利用して外壁の劣化を確認する調査方法です。
打診調査のように足場を組んだり、ゴンドラを設置したりするコストが不要となるため、調査コストを抑えられるメリットがあります。
一方、赤外線調査は打診調査と比較すると、浮き箇所の判定において正確性にやや欠けてしまうという点に注意が必要です。
大きく浮いているときには赤外線カメラでも判別できますが、浮きが小さい場合は判別できない場合もあります。
また、赤外線調査では太陽の直射日光が当たらない面の調査精度は低くなります。
そのため、外壁調査の目的が補修工事のためなのか、それとも定期報告のために行うかなど、調査の目的に応じて調査方法を決めるのがよいでしょう。
ドローン調査とは、調査対象となる外壁をドローンで空撮して外壁の劣化具合を確認する方法です。
ドローン調査では赤外線調査と同じ手法が用いられ、従来の赤外線調査における作業員がドローンに置き換わった方法となります。
ドローンによる外壁調査では、足場やドローン以外の機材を新たに用意する必要がなく、費用や時間を短縮できるのがメリットです。
また、従来の赤外線調査は作業員が地上から赤外線カメラで撮影していたため、建物の高層部分を精度よく点検することができませんでした。
しかし、ドローンを利用することで高さに関係なく外壁を正面に捉え、水平に撮影できます。
一方、ドローンによる外壁調査の注意点として、調査対象の建築物の立地によっては、ドローンの飛行を制限されることが挙げられます。
外壁調査には専門的な知識や機材が必要となるため、外壁調査会社に依頼する必要があります。ここでは、外壁調査会社を選ぶポイントを紹介します。
外壁調査会社を選ぶ際は、これまでに十分な実績や経験があるかなどを、会社のホームページやSNSでチェックしておきましょう。
外壁調査には専門的な知識や技術が必要となり、調査員に実績がなければ、正確な調査結果を得られない可能性があります。
調査員のミスによって劣化部分が正確に特定できなかった場合、そのあと大きな事故につながるかもしれません。
また、外壁調査会社によって打診調査に力を入れているところもあれば、赤外線調査に力を入れているところもあります。
どちらの調査方法を希望するかによっても、選ぶべき外壁調査会社は変わってくるでしょう。
これらの点も踏まえたうえで、外壁調査を依頼する際には、十分な実績や経験がある外壁調査会社を選ぶことが重要です。
外壁調査会社を選ぶ際には、調査費用が適正価格かどうかを見極めることも大切です。
外壁調査にかかる費用は、建物の規模や調査方法で異なり、もともと設定している料金設定も調査会社によって異なります。
そのため、1社から見積もりをしてもらうだけでは、提示される金額が適正かどうかを判断することはできません。
適正価格かどうかを見極めるためには、複数社に見積もりを依頼しておくとよいでしょう。
ただし、安さだけで外壁調査会社を選んでしまうと、調査が手抜きになったり、正確な調査報告をもらえなかったりする可能性もあります。
適正価格かどうかを判断したうえで、実績や経験がしっかりあるかどうかもチェックし、総合的に判断しましょう。
外壁調査会社は価格や実績だけでなく、サポートやアフターサービスが充実しているかどうかも選ぶポイントの一つです。
具体的には、外壁に対して専門的な知識がない建物の所有者に対し、丁寧な説明や手厚いサポートがあるかどうかも重要となります。
わからないことがあった場合、質問に丁寧に答えてくれるかもポイントです。
サポートの充実性は、外壁調査会社のホームページや相談時の対応などで判断できます。安心して依頼するためにも、サポートが充実している外壁調査会社を選びましょう。
外壁調査で外壁に問題が発覚した場合は、建物の安全性が損なわれている状態であるため、迅速に補修を検討する必要があります。
外壁調査が終わったあとは、調査で分かった外壁の状態や、どこが劣化しているかなど具体的な説明を受けましょう。
その後、必要な補修内容を固めて外壁補修工事を依頼する業者の選定も行っていきます。
ちなみに、法的に外壁調査が義務付けられているのは特定建築物ですが、それ以外の建物でも外壁の劣化は進んでいきます。
外壁の劣化は建物の機能性を低下させたり寿命を縮めるため、マイナス要素しかありません。放置していると大規模な工事が必要となり、補修には多くの時間や費用がかかります。
一般住宅でも定期的に外壁を点検し、問題がある場合は早めの補修が必要です。
この記事では、外壁調査の必要性や方法、調査会社選びのポイントを紹介しました。外壁は紫外線や風雨によって経年劣化し、建物の機能性低下や寿命をもたらします。
外壁の落下によって歩行者にぶつかる可能性もあるため、特定建築物を対象に法律で外壁調査が義務付けられています。
また、特定建築物以外の建物においても、建物の機能性を維持するために、定期的に外壁の状態をチェックして必要に応じて早期に補修することが大切です。
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