外壁は、太陽光を浴びたり外気に触れたりすることで経年劣化します。
そのため、定期的に外壁リフォームを行い、外壁の劣化を防いだり、機能を復活させたりする必要があります。
外壁リフォームといっても、外壁塗装や張り替え、カバー工法などがあるため、それぞれの違いを把握しておくことも大切です。
この記事では、外壁リフォームの中でも比較的安価に行うことができる外壁塗装リフォームのメリットや注意点、他のリフォームとの違いを紹介します。
外壁塗装リフォームは、外壁リフォームの一つです。ここでは、外壁塗装リフォームの特徴や他の外壁リフォームとの違いを解説します。
外壁塗装リフォームとは、外壁用の塗料を用いて外壁を保護する工事です。新たな塗料を塗装することで、外壁から失われた保護機能を回復させることができます。
高圧洗浄で外壁の汚れを落とし、下地処理をしてから塗料を塗っていきます。
塗り替えのリフォームと呼ばれることもあり、外壁の劣化がそれほど進行していない場合に選択されることが多い方法です。
他の外壁リフォームに比べると価格が安く、もっとも手軽に検討できます。使用する塗料にはグレードがあり、かかる費用や耐用年数は異なります。
外壁塗装は外壁材の上から塗装するのに対し、張り替えリフォームでは古くなった外壁材そのものを取り替えるという違いがあります。
張り替えリフォームは、外壁に剥がれやひび割れが複数あったり、カビや腐食がみられたりする場合に選択されることが多いです。
今ある壁を撤去するため、壁の内側に隠れていた劣化の補修もできるメリットがあります。断熱や補強を施すことにより、さらに快適で長持ちする家になるでしょう。
一方で、他の外壁リフォームに比べるとコストが高くなることや、施工日数が長くなりやすいデメリットもあります。
既存の外壁の種類によっては張り替えができない場合もあるため注意が必要です。
外壁の張り替えのメリットやデメリット、費用相場は以下の記事でも詳しく解説しているので、あわせてご参照ください。
外壁塗装は外壁の上から塗装するリフォームであるのに対し、カバー工法はもともとある外壁の上に新しい外壁材を重ね張りする違いがあります。
外壁材を重ねることによって、壁と壁の間に空気の層が作られ、断熱性や遮音性が高まります。
張り替えのように既存の外壁材を撤去する必要がないため、外壁の解体や撤去、処分にかかる手間やコストを減らせることもメリットです。
一方で、カバー工法を行うと壁の内側に結露が発生することや、建物の総重量が増して耐震性がやや下がる点に注意が必要となります。
また、既存の外壁の上に新しい外壁材を重ねるため、張り替えのように下地の補修ができない点にも注意しましょう。
外壁塗装リフォームは、使用する塗料によって耐久性や価格が異なります。ここでは、外壁塗装リフォームに使用される代表的な塗料を紹介します。
アクリルは、アクリル系合成樹脂成分を主とする塗料で、外壁塗装リフォームに使われる機会は近年少なくなっています。
アクリル塗料のメリットは、価格が安いことやツヤがあって色がはっきりしていることです。一方、耐用年数が5〜8年と短いことやクラックができやすいデメリットもあります。
外壁塗装リフォームにも多く使われていましたが、近年は耐用年数が長く安価な塗料が増えているため、アクリル塗料を使用するケースが減っています。
ただし価格が安いため、近い将来に建て替えを検討していたり頻繁に外壁の色を変えたい場合などにおすすめです。
ウレタンは、ウレタン樹脂を主成分とする塗料で、合成ゴムや断熱材などに使用されるポリウレタンがベースとなっています。
ウレタン塗料のメリットは、安価で塗装できることや、アクリル塗料に比べて耐久性が高く、光沢があることです。
一方、他の塗料に比べると耐久性が低いことや、長期的に見ると割高になるデメリットもあります。
価格の安さ重視や、長く住む予定がない場合などにおすすめの塗料です。また、雨どいなどの付帯部だけウレタン塗装にするようなケースもあります。
シリコンはシリコン樹脂塗料ともいわれており、合成樹脂が主成分の塗料です。
機能性や耐久性に優れており、さらに安価であるため外壁塗装で多く使用されています。耐用年数は7〜10年で、アクリル塗料やウレタン塗料に比べて長いことも魅力の一つです。
コストパフォーマンスがよく、性能と価格のバランスが抜群に良いことから人気がありますが、ウレタン塗料と比較すると硬いため、ひび割れを起こしやすいデメリットもあります。
密着性が弱い傾向にあるため、知識や経験がないと扱いにくく、仕上がりが外壁塗装業者によって変わりやすいのも特徴です。
ラジカルとは、ラジカル制御型の酸化チタンを活用している塗料で、高い耐久性を持っていることから注目されている塗料です。
特にチョーキング現象を抑える効果に優れており、耐用年数は10年以上で、シリコン塗料よりも長持ちします。防汚・防カビ効果も高く、美しい壁をキープしやすいことも魅力です。
一方で、選べる塗料が少なく市場に登場してから日が浅いため、塗装経験がない塗装業者が多い点に注意する必要があります。
また、高品質な材料を使用して耐久性を高めるための技術が組み込まれているため、初期費用はやや高めです。
フッ素は、フッ素を含んだ合成樹脂が主成分で、塗装面との密着性に優れている塗料です。
耐久性、耐熱性、防水性、防汚性に優れており、塗装性能を長期間保てるメリットがあります。
ビルや商業施設など、張り替えに費用や時間がかかる大型構造物でもよく使用されている塗料です。
一方、他の塗料に比べると高価で、塗装範囲が広くなるとそれだけ費用も高額になります。
長期的に見るとコストパフォーマンスがいい塗料ですが、1回あたりの施工価格が高額になるため、予算と相談して判断する必要があります。
光触媒は、太陽の光に反応して外壁の汚れを自動的に落とすセルフクリーニング機能がある塗料です。
塗料に含まれる酸化チタンと呼ばれる物質が紫外線に反応し、活性酸素を発生させることでクリーニング効果が発揮されます。
分解された汚れは雨水で洗い流されるため、自分で外壁を洗う手間がかかりません。
耐久性に優れる一方で、初期費用が高くなりやすいことや、色のバリエーションが少ないなどのデメリットがあります。
無機は、ガラスや石などの無機物と有機塗料を混合した塗料です。
紫外線に強く劣化しにくい特徴があり、耐久性や耐候性に優れているため、長期的に美観を保てるメリットがあります。
外壁塗装に使われる塗料の中では、もっともグレードが高く優れた塗料です。
一方、他の塗料に比べると価格が高いことや、下地によってはひび割れしやすい点に注意する必要があります。
また、伸縮性が低いため、気候条件によって収縮するサイディングボードや木材などへの塗装が難しいこともデメリットです。
外壁塗装リフォームにはさまざまなメリットがあります。ここでは、外壁塗装リフォームを行うメリットを解説します。
外壁塗装リフォームのメリットは、他の外壁リフォームに比べて価格が安いことです。
張り替えやカバー工法のように、外壁材を替えたり重ね張りする必要がないため、価格を抑えることができます。
張り替えであれば、外壁塗装と比較して倍以上のコストがかかることから、コストを抑えたい場合におすすめの外壁リフォームです。
外壁塗装リフォームを行うことで、建物の寿命を延ばせるメリットがあります。これは、外壁塗装で外壁に塗膜が作られ、雨や紫外線からのダメージを防げるためです。
外壁は紫外線や雨風にさらされており、経年劣化で少しずつ防水機能が低下しています。早めに外壁塗装を行うことにより、建物の経年劣化を防ぎ寿命を延ばすことが可能です。
外壁塗装リフォームを行うことで、新築の頃と同じような外観の美しさを取り戻すことができます。
時間の経過と共に外壁は色あせたり、汚れが蓄積したりしますが、適切に塗装を施すことで美観の維持が可能です。
美観の向上は単に外観が良くなるだけでなく、居住者の満足度を高めることにもつながります。
また、美観は不動産価値にも大きく関わる要素で、適切にメンテナンスを行うことにより、不動産の価値を高める効果もあります。
特に将来的に売却を検討している場合、相場よりも高く売却できたり、値段交渉がしやすくなったりなどもメリットです。
外壁塗装リフォームには、塗料が持つ熱の遮断や防火効果により、防火性能を高められるメリットがあります。
近年は防火性能に特化した防火塗料も普及しており、火災が発生しても周辺の燃焼を防ぐことが可能です。
防火塗料には、発泡形防火塗料、非発泡形防火塗料(難燃性)、非発泡形防火塗料(不燃性)などの種類があります。
塗料の種類によって防火性能も変わってくるため、火災対策も合わせて考える場合は、防火性能が高い塗料を選ぶのもポイントです。
外壁塗装リフォームは、全体のデザインをガラッと変えられることもメリットです。
今までとは違う色を選んだり、複数の色を使い分けたりすることで、デザインを大幅に変えることができます。
配色を変えることで住宅の印象も変わってくるため、新しい家になったような気分も楽しめるでしょう。
実際のデザイン例やトレンドを参考にすることにより、自分の住宅に最適な色やスタイルを見つけられます。
外壁塗装リフォームは、下地材の補修や雨漏りの根本的な改善が難しい点に注意する必要があります。ここでは、外壁塗装リフォームの注意点を解説します。
外壁塗装リフォームでは塗装を行う前に下地補修を行いますが、外壁材が傷んでいると補修できない場合があります。
例えば、広範囲にわたる深いひび割れや、外壁材の寿命が尽きているような場合、単なる下地補修だけでは不十分です。
このような場合は、外壁塗装だけで対応できないため、張り替えの外壁リフォームを検討しなければなりません。
下地材の寿命は外壁塗装で延ばすこともできるため、適切なタイミングで外壁塗装リフォームを行うことが大切です。
外壁補修に関しては、以下の記事でも詳しく解説していますので、あわせてご参照ください。
外壁塗装リフォームは、外壁材が傷むことで発生する雨漏りや水漏れの改善にはつながりません。
外壁塗装には、外壁材を雨水や水分から守るコーティングの役割があります。しかし、すでに塗膜が劣化していて、外壁材に水が浸透していると高い効果は期待できません。
外壁材に水が浸透して雨漏りや水漏れが発生している場合、塗装ではなく、外壁材の張り替えが必要となります。
雨漏修理と塗装工事は別物であるという認識を持ち、正しく対処することが大切です。
この記事では、外壁塗装リフォームの特徴や他のリフォームとの違い、メリット・注意点を解説しました。
外壁塗装リフォームは、建物の外壁を塗り替えることで、美観の向上や建物の保護ができるメンテナンスです。
張り替えやカバー工法のように外壁材を交換・追加するのではなく、塗料を塗ることによって機能性を向上できます。
そのため、他の外壁リフォームに比べると、価格を抑えられるメリットがあります。住宅の劣化を防ぐためにも、適切なタイミングで外壁塗装リフォームを検討しましょう。
外壁塗装のことなら、カベナビジャパンにお任せください。
厳しい基準をクリアし、選び抜かれた職人と直接つながることができる外壁塗装提案システムを提供しています。お見積もりから契約、アフターサービスまでWebで完結できます。
まずは、お気軽にご相談ください。
営業時間 10:00 〜 18:00(平日)
時間外のお問い合わせは
翌営業日にご対応いたします。