見積もりと実際の価格が異なる

外壁塗装では、業者に提示してもらう見積もりと実際の価格が異なることでトラブルが発生するケースがあります。

複数の業者に外壁塗装の見積もりを出すと、それぞれの業者で金額が異なるように、見積もりは大まかな条件に基づいて行うものです。

家の大きさや使用する塗料が正確に分かっている場合であれば、見積もりと実際の価格の幅は小さくなります。

しかし、家の大きさや塗料がはっきりしない状態で見積もりを行うと、実際の金額と異なる場合があります。

業者に見積もりを依頼する場合は、正確な見積もりを依頼することが大切です。

あわせて、「見積もりの金額ですべての工事ができるか」「追加料金がかからないか」なども確認しておきましょう。

途中解約で違約金を請求された

外壁塗装の契約をしたものの、途中で解約した場合に業者から違約金を請求されてトラブルに発展するケースもあります。

契約後に費用負担が不安になったり、近所の方に反対されたりなどして、解約が必要になる場合もあるでしょう。

このような場合、飛び込み営業で契約を取り交わしたのであればクーリングオフが適用されます。

クーリングオフにより、業者から法定書面を受け取った日から起算し、8日以内であれば違約金を支払う必要はありません。

一方、自分から業者を呼び寄せていたり、店舗に出向くなどして契約を行った場合、クーリングオフはできないため注意が必要です。

追加料金を上乗せされる

外壁塗装のトラブルとして挙げられるのは、追加料金を上乗せされる場合です。

基本的に外壁塗装で追加料金が発生することはないため、見積もりに追加料金を上乗せされている場合は悪質業者の可能性が考えられます。

そもそも、見積もり金額に納得したうえで契約を行うわけですから、そのあとに追加料金を請求されても納得できないのが普通です。

ただし、追加で工事を依頼したり、色や塗料の変更を行ったりなど、施工主の都合によって追加料金が発生するケースもあります。

見積もりをしてもらうタイミングで、追加料金の取り決めやルールを確認しておくと安心です。

料金の前払いしたのに業者が倒産した

外壁塗装のトラブル事例として、料金の前払いをしていた状態で、工事が終わる前に業者が倒産するケースが挙げられます。

すべての業者ではないものの、前払いを要求する業者は資金繰りがうまくいっていないケースが多く、トラブルが起こるリスクが高くなります。

なお、契約した業者が工事を完成させる前に倒産した場合、破産法に基づいて契約の解除をしなければなりません。

面倒な手続きだけでなく、追加費用の負担がかかるケースもあるため注意が必要です。

このようなトラブルを防ぐためには、前払い以外の方法で支払える業者や、リフォーム瑕疵保険に加入するなどの対策があります。

色のイメージが異なる

外壁塗装では、事前にイメージしていた色と実際の色が異なることでトラブルに発展する場合があります。

失敗の原因が指定していた塗料と別の塗料が使われていたり、塗膜が不均一だったりであれば、施工不良として業者に再塗装の依頼ができる場合もあります。

また、施工中であれば追加料金が必要になるものの、塗り替えができるケースもあるため業者に相談しましょう。

色のイメージが異なる原因として多いのは、小さな色見本帳で色の判断をしてしまうことです。

小さなサイズの色と大きなサイズの色では感じる印象が異なるため、大きな色見本帳を使い、太陽光の下で朝昼晩と確認することをおすすめします。

車や庭木を汚された

外壁塗装では自宅の車や庭木を汚されたり、壊されたりすることでトラブルに発展する場合もあります。

信頼できる業者であれば、万が一に備えて損害保険に加入しているため、清掃や弁償を求めると応じてもらえるケースも多いです。

トラブルを回避するためにも、外壁塗装が始まる前に動かせるものは汚れない場所に移動しておくとよいでしょう。

塗りムラがある

外壁塗装のトラブルとして塗りムラがあり、美観を損ねるだけでなく、機能性の観点からすぐに対処した方がいい場合もあります。

誰が見ても美観を損ねている塗りムラは、防水や保護性能が失われている可能性もあるため、施工不良として塗り直ししてもらえる場合もあります。

一方、防水や保護性能に問題がなく、美観も大きく損ねていなければ、塗り直しに応じてもらえる可能性は低いです。

塗りムラの補修は工事終了後に業者と一緒に確認をし、必要であればそのタイミングに手直しを行います。

塗りムラは個人の主観による判断や基準がなく、施主と業者の間で意見の食い違いが生じるケースも多いため、トラブルに発展しやすい内容の一つです。

すぐに剥がれる

施工不良による剥がれも、外壁塗装に多いトラブルの一つです。

洗浄や下地処理が不十分だったり、洗浄後の乾燥不足や下地に合った塗料が選定されていなかったりすると、施工して数年以内に剥がれることがあります。

耐用年数を満たさずに起こる剥がれは施工不良が原因であり、通常の業者なら無料で補修してもらえるでしょう。

一方、耐用年数を満たしているなら経年劣化による剥げであるため、新たに外壁塗装を行う必要があります。

外壁の剥がれを放置していると雨漏りにつながる可能性もあるため、外壁塗装をしてから期間が空いてなくても早めの対策が必要です。

中塗りと上塗りが同じ日に済む

中塗りと上塗りが同じ日に済んだ場合、手抜き工事である可能性が高く、一度しか塗装していないことも考えられます。

塗料の乾燥には一定の時間を必要とするため、同じ日に2工程分の塗装が済むのは現実的とはいえません。

塗装回数をごまかされないためには、中塗りと上塗りに使用する塗料の色を変えてもらうなどの対策が有効です。

中塗りと上塗りを同時に行うと、そのときに異常がなくても、数年後に塗料の縮みやひび割れ、膨れなどの症状が出てくる場合もあるため注意しましょう。

近隣トラブルが発生した

外壁塗装は足場を組んで大がかりな工事が必要となるため、以下のような近隣トラブルが発生するケースもあります。

• 事前に説明がなかった
• 業者のトラックや車が邪魔
• 塗料が飛散してきた
• 塗料のニオイが気になる
• 業者がうるさい
• 高圧洗浄の水が飛散してきた

基本的には業者が工事前に近隣挨拶を行いますが、不安に感じる場合は自身も挨拶をし、周知して了承を得ておきましょう。

また、塗料や高圧洗浄の飛散、騒音などのクレームは業者に任せて対応してもらうのが一般的です。

塗装業者

外壁塗装のトラブルが発生した場合、まずは工事を依頼した塗装業者に連絡しましょう。

優良な塗装業者であれば保証期間やアフターサービスを設けており、トラブル解決に向けて適切な対応を行ってくれます。

塗装業者に相談する前には、契約書や保証書を確認し、記載されている保証内容も伝えておきましょう。

一方、保証期間中でも対応してくれなかったり、連絡がつかなくなったりする業者もいるため、このような場合は外部の機関に相談する必要があります。

契約の前にはトラブルが発生した場合のことも踏まえ、信用できる業者かどうかもチェックしておきましょう。

国民生活センター

外壁塗装業者がトラブルに応じてくれない場合の相談先としては、国民生活センターが挙げられます。

国民生活センターは、商品やサービスなど消費全般に関する苦情や問い合わせなど、消費者からの相談を専門の相談員が受け付けている機関です。

無償相談も行っており、外壁塗装で発生したトラブル解決の対応策を提案してもらったり、法律や権利に関する情報を教えてもらったりできます。

建築士や弁護士などの専門家への相談はできないものの、今後どのようにしたらいいか流れを教えてもらうことは可能です。

消費者の権利保護や問題解決のために、信頼性のある情報やサポートを提供してもらうことができます。

弁護士

外壁塗装でトラブルが発生した場合、法律的な観点から対処が必要であれば、弁護士に相談して問題解決を図ります。

例えば、「外壁塗装で発生した近隣トラブルに業者が対応しない」「外壁塗装の不備が多く見つかったけど対応してもらえない」などです。

法律の専門家としてトラブル解決のための具体的な方法を提案してもらえるため、自身が何をしたらいいかも見えてきます。

ただし、弁護士に相談する場合は相談料が発生するため、事前に相談した内容をまとめ、スムーズに伝えられるように準備しておきましょう。

住宅リフォーム・紛争処理支援センター

住宅リフォーム・紛争処理支援センターは、住宅に関するトラブルの解決を支援してくれる機関で、外壁塗装トラブルにも対応しています。

建築士などの専門家による調査をしてもらうことができ、手続きが非公開でプライバシーが保護されるため安心です。

紛争処理にかかる費用は1万円のみとなっており、中立な立場で公平に判断してもらえるため、迅速な対応でスムーズに解決できます。

また、見積書に関する不明点や疑問など、事前に電話相談してチェックしてもらうサービスも行っています。

外壁塗装の工事を行う前に業者に対してあやしいと思う部分があれば、相談してみるのもよいでしょう。