木造住宅の外壁塗装には、造膜タイプと浸透タイプの2種類の塗料があり、それぞれ特徴が異なります。
また、外壁塗装に使用される塗料には、ウレタン系やアクリル系、シリコン系など、さまざまな種類があります。
しかし、「木造住宅の外壁塗装に適した塗料はどれ?」「塗料の種類ごとの特徴は?」など疑問に思うこともあるでしょう。
この記事では、木造住宅の外壁塗装に適した塗料の種類や特徴、塗装を行うタイミング、費用相場、塗装前に理解しておくべき重要ポイントについて詳しく解説します。
木造住宅の外壁塗装には、大きく分けて造膜タイプと浸透タイプの2種類の塗料があります。
ここでは、木造住宅の外壁塗装に適した塗料の種類とその特徴を詳しく解説します。
造膜タイプの塗料は、塗膜を形成することで外壁を保護する塗料です。木材の表面に塗膜を作ることで、雨水や紫外線から外壁を守る効果があります。
塗膜が剥がれにくく、長期的な美観維持が可能な反面、塗膜の劣化が進むと塗り替えが必要になります。
また、造膜タイプの塗料は下地の木材の呼吸を妨げる恐れがあるため、木材の含水率や塗装前の下地処理に注意が必要です。
造膜タイプの塗料を選ぶ際は、木材の状態や環境条件、求める耐久性などを考慮し、適切な塗料を選ぶことが重要です。
なお、造膜タイプの塗料には、ウレタン系やアクリル系、シリコン系などがあり、耐久性や光沢の度合いが異なります。
浸透タイプの塗料は、木材の内部に浸透して保護する塗料です。木材の繊維に塗料が染み込むことで、木材自体を強化する効果があります。
塗膜を作らないため、木材の呼吸を妨げずに湿気を逃がすことができ、結露の防止にも役立ちます。
ただし、耐候性や耐久性が造膜タイプに比べて低いことから、定期的な塗り替えが必要です。
また、塗装前の下地処理や塗装方法によって、仕上がりの色合いや耐久性が大きく異なるため、塗装時には高い技術が求められます。
浸透タイプの塗料には、油性の塗料や水性の塗料があり、自然な風合いを維持しながら木材を保護できます。
外壁塗装には、さまざまな種類の塗料が使用されます。それぞれの塗料の特徴を理解し、建物の状態や目的に合わせて選択することが大切です。
ここでは、外壁塗装に用いられる主な塗料を5つ紹介します。
ウレタン系塗料は、ウレタン系樹脂を主成分とする塗料です。
▼ウレタン系塗料の特徴
耐久性と光沢に優れており、耐摩耗性や耐薬品性が高いため、長期的な美観維持が可能です。艶のある仕上がりが特徴で、高級感のある外観を実現できます。
ただし、紫外線に弱く変色しやすい点が難点です。また、価格が比較的高い傾向にあり、塗り替えの際には塗膜の除去が難しいという欠点もあります。
ウレタン系塗料は、高い耐久性と美しい光沢を求める場合に適した選択肢ですが、施工の難易度や価格、メンテナンス性なども考慮する必要があります。
アクリル系塗料は、耐久性と価格のバランスが良い塗料です。
▼アクリル系塗料の特徴
ウレタン系塗料と比べて柔軟性があり、下地の動きに追従しやすいことから、亀裂が生じにくいという特徴があります。
耐用年数は5〜8年と短いですが、価格は塗料の中でも安価で高い人気を誇ります。
バランスの取れた性能と美しい仕上がりを求める場合に適した選択肢であり、コストパフォーマンスにも優れているといえるでしょう。
シリコン系塗料は、シリコン樹脂を主成分とした塗料です。長期的な美観維持とメンテナンス性を重視する場合に適しています。
▼シリコン系塗料の特徴
現在、外壁塗装の主流となっている塗料であり、耐候性と耐汚染性に優れています。また、シリコン樹脂を使用しているため、紫外線や雨水に強く、長期的な美観維持が可能です。
汚れが付着しにくく、付着しても落ちやすいという特性上、メンテナンスが簡単というメリットもあります。
シリコン系塗料は、高耐候性と低汚染性を兼ね備えた高機能な塗料として、人気が高まっています。
ただし、ウレタン系やアクリル系の塗料に比べて価格がやや高く、施工には専門的な技術が必要です。
ラジカル系塗料には「高耐候酸化チタン」と「光安定剤」の2つが含まれており、ラジカルの発生を抑え、さらにはラジカルを封じ込める効果があります。
▼ラジカル系塗料の特徴
ラジカルとは、樹脂や顔料の有機物を劣化させる因子のことです。ラジカル系塗料は高い耐候性と低汚染性を実現できる反面、価格が高く、施工には専門的な技術が必要となります。
また、施工例が少ないことから、ラジカル系塗料を利用する際は相性を十分に考慮することが求められます。
フッ素系塗料は、最も高い耐候性を持つ塗料の1つです。
▼フッ素系塗料の特徴
フッ素樹脂を使用しているため、紫外線や雨水、酸性雨にも強く、非常に長期的な美観維持が可能です。また、塗膜が緻密で汚れが付着しにくく、落ちやすいという特徴もあります。
フッ素系塗料は最高級の外壁塗料として知られていますが、1㎡あたり3,500〜6,000円程度と、価格が非常に高い点が難点です。
フッ素系塗料の利用に際しては、価格と施工の難易度を十分に考慮する必要があります。また、下地の状態や他の塗料との組み合わせなども検討することが大切です。
木造住宅の外壁塗装は、3〜5年ごとに行うのが一般的です。他の外壁と比較して、メンテナンスの頻度が高いのが特徴です。
ただし、この周期はあくまで目安であり、塗料の種類や建物の状態によって早めに塗り替える必要がある場合もあります。
例えば、以下のようなケースではメンテナンスの頻度を高める必要があります。
塗膜の劣化を放置すると、外壁の木材が傷み、建物の耐久性が低下する恐れがあるため、外壁の状態を定期的にチェックし、適切なタイミングで塗り替えを行うことが重要です。
塗り替えのタイミングを判断する際は、専門家による外壁診断を受けることをおすすめします。
下地処理から塗装までの作業を全て依頼した場合、木造住宅における外壁塗装の費用は1㎡あたり7,000円〜13,000円が相場です。
例えば、30坪住宅の外壁を塗装するケースでは、60万円〜120万円の費用が必要になり、追加で修理が必要になった場合は、この料金に修理費用がプラスされます。
ただし、実際の費用は建物の状態や使用する塗料、施工業者によって大きく異なるため、事前に見積もりを取って確認することが大切です。
信頼できる施工業者から複数の見積もりを取り、費用対効果を検討することをおすすめします。
また、外壁塗装の費用は一括払いだけでなく、ローンや分割払いなどの支払い方法も選べる場合があります。自分の予算や資金計画に合わせて、最適な支払い方法を選択するようにしましょう。
木造住宅の外壁塗装を行う前に把握しておくべき重要ポイントがいくつか存在します。
ここでは、外壁塗装における重要ポイントや注意点について詳しく解説します。
外壁塗装に使用する塗料の種類によって、塗り替え時期が異なります。
一般的な外壁に塗る場合の持続期間は、ウレタン系塗料が6〜10年、シリコン系塗料が10〜15年、フッ素系塗料が15〜20年程度です。
しかし、木材へ塗装する場合は塗膜が傷む速度が早い性質上、これらの年数よりも早めに塗り替えをしなければなりません。
また、建物の立地条件や方角、メンテナンス状況などによって塗り替え時期は前後します。塗料の種類と特性を理解し、建物の状態に合わせて適切な塗料を選択することが重要です。
外壁塗装の塗膜は、基本的に長期間持続するものではありません。塗膜は紫外線や雨水、温度変化などの影響を受けて、徐々に劣化していきます。
特に木造住宅の場合は、木材の動きによる塗膜のひび割れや剥がれが生じやすいため、注意が必要です。
塗膜の劣化を早期に発見し、適切なタイミングで塗り替えを行うことが、建物の長寿命化につながります。定期的な外壁のチェックと計画的なメンテナンスの実施が大切です。
木造住宅の場合、他の外壁と比べて太陽光の影響を受けやすいため、太陽のあたり方を考慮する必要があります。
例えば、日当たりの良い南向きの外壁は紫外線の影響を強く受けることから、塗膜の劣化が早く、高頻度でのメンテナンスが必要です。
一方、日陰になりやすい北向きの外壁は塗膜の劣化が遅いため、塗り替え時期が遅くなることがあります。
外壁の方角を考慮し、日あたりの強い部分は重点的にチェックすることが重要です。また、太陽のあたり方に合わせて、適切な塗料を選択することも求められます。
例えば、日当たりの良い外壁には、耐紫外線性の高いシリコン系塗料やフッ素系塗料を使用するのがおすすめです。
反対に日陰になりやすい外壁には、耐候性よりも防カビ性や防藻性に優れた塗料を選ぶことが推奨されます。
外壁塗装は、専門的な知識と技術が必要とされる作業です。施工方法や塗料の選択を誤ると、外壁の耐久性や美観が損なわれる恐れがあります。
外壁塗装に慣れていない場合は、経験豊富な専門業者に依頼することをおすすめします。
プロの目で外壁の状態を診断し、適切な塗料や施工方法を提案してもらうことで、高品質な外壁塗装を実現可能です。
また、足場の設置や安全対策など、専門的な作業を適切に行ってもらえるのも大きなメリットといえます。
信頼できる外壁塗装業者を選ぶためには、複数の業者から見積もりを取り、実績や保証内容、アフターサービスなどを比較することが大切です。
業者の施工事例を見学したり、過去の顧客の評判を確認したりすることで、業者の技術力や信頼性をより正確に判断できます。
この記事では、木造住宅の外壁塗装に適した塗料の種類や特徴、塗装を行うタイミングや費用相場、塗装前に理解しておくべきポイントについて解説しました。
木造住宅の外壁塗装には、造膜タイプと浸透タイプの塗料があり、建物の状態や目的に合わせて選択することが大切です。
また、ウレタン系やアクリル系、シリコン系など、さまざまな種類の塗料があります。
木造住宅の外壁塗装は3〜5年ごとに行うのが一般的で、費用は1㎡あたり7,000円〜13,000円程度が相場です。
外壁塗装を行う前に、塗装材によって塗り替え時期が変わる、太陽のあたり方を考慮する必要があるなどの点を理解しておきましょう。
カベナビJAPANでは、建物の状態や予算に合わせて最適な塗料や施工方法を提案し、信頼できる施工業者をご紹介します。
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